長距離トラックドライバーは稼げるイメージでしたが、労働環境の改善等で運転時間や拘束時間に関する規律ができているので、乗れば乗るほど稼げる時代は終わったのかもしれません。
今回は令和6年4月から適応されている「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」をもとに解説していきます。
拘束時間と休息時間
拘束時間
始業時間から終業時間までのことです。休憩時間や仮眠時間も含まれます。
1日に13時間以内と決められており、延長する場合は上限15時間です。14時間を超えるのは週2回までが目安とされています。
例外として、宿泊を伴う長距離貨物運送の場合は週に2回まで上限16時間まで延長できます。
休息時間
普通のサラリーマンで言う「家に帰って過ごす時間」のことです。これは分割できません。
終業時間から次の始業時間までは原則として11時間以上、最低でも9時間以上は休息を取る必要があります。
例外として、宿泊を伴う長距離貨物運送の場合は週2回まで最低8時間以上とできます。
運転時間
2日を平均した1日あたりの運転時間は9時間以内と決められています。

1日の運転時間はだいたい9時間までと覚えておくといいです。
連続運転時間
430(ヨンサンマル)
連続運転時間に関して決まりがあります。
- 連続運転時間は4時間以内です。
- 運転開始後4時間以内又は4時間経過直後に、30分以上の運転の中断が必要です。中断時には、原則として休憩を与えなければなりません。
- 運転の中断は、1回がおおむね連続10分以上とした上で分割することもできます。ただし、1回が10分未満の運転の中断は、3回以上連続してはいけません。
※例外として、サービスエリア又はパーキングエリア等が満車である等により駐車又は停車できず、やむを得ず連続運転時間が4時間を超える場合には、4時間30分まで延長することができます。
トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント https://www.mhlw.go.jp/content/2023_Pamphlet_T.pdf

4時間の運転につき30分間運転を中断する必要があります

分割もできます。しかし、1回あたり10分以上停車しないと運転の中断にはなりません。
430は「原則」休憩扱い
そもそも430は連続運転時間に関する決まりなので、30分間は「停車していればよい」のです。
例外として、30分間の停車時間に積み卸しをしていることもあります。
430とは別に休憩を取る必要あり
労働基準法では労働時間が8時間を超える場合は最低でも1時間の休憩をとる必要があります。
430の間に積み卸しをしていては休憩とは言えません。30分の運転の中断とは別に1時間の休憩を取る必要があります。
時間と疲労に気をつけて運転しましょう
特に大型トラックともなれば、どこにでも簡単に駐停車できません。どこで430をとるのか、どこで休息をとるのか、次の日の運行のことも考えてどこまで走るのか、考えながら運行プランを立てるのがドライバーの腕の見せどころですね。


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